虹彩認証システムとは?その特徴とさまざまな活用方法
昨今ではさまざまな領域でセキュリティの確保が求められています。またコロナウイルスの影響によって、直接モノに触れるといった接触を避けより衛生的な認証が求められるなど、少し前と比べて非常に多くの製品や技術の需要が高まっています。
前回の記事では顔認証システムについてご紹介いたしましたが、今回の記事では「虹彩認証システム」についてご紹介したいと思います。
虹彩認証システムとは
「認証」とはなりすましを防ぐために本人かどうかを確認することを指します。そして本人を認証する方法としては、鍵やカードを使用した所有物認証、IDパスワードによる知識認証、身体の一部分を利用する生体認証と大きく三種類に分けることができます。
虹彩認証システムは生体認証のひとつで、人間の「瞳」の中にある「虹彩」を鍵にして認証を行うシステムのことです。「虹彩認証」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。では「虹彩」とは具体的にどの部分を指しているかはご存知でしょうか。
「虹彩」とは黒目の内側にある瞳孔の周りのドーナツ状の模様部分を指します。個々人で固有のパターンを持ち、生涯不変と言われています。また、遺伝的な影響がほとんどなく同一人物の左右でも、一卵性双生児であっても異なるとも言われています。
虹彩認証システムの仕組み
虹彩認証は冒頭でも記載しましたが生体認証(バイオメトリクス認証)のひとつとなります。認証の仕組みはカメラで映し出された眼球の画像から瞳孔、睫毛などを除去し虹彩エリアを特定します。次に特定した虹彩エリアを微小に区分けして数値化し、輝度(平面状の光源がある方向に単位立体角あたりに放射する光の光源における単位面積あたりの明るさ)の変化を符号化して照合を行うことによって認証します。
虹彩認証システムの特徴
虹彩認証システムの概要と仕組みを書いてきましたが、実際に虹彩認証システムを活用することにはどのような特徴があるのでしょうか。
特徴1 非接触で衛生的
- カメラで捉えた虹彩情報で認証を行うため、機器に触れることなく非接触で認証を行うことができます。非接触のため手に荷物を持っていたり、手袋の着用などをしていても「認証のための動作」は不要なためスムーズに認証が可能です。
- 工場現場などの防塵ゴーグルや防護服を着用していても目が露出していれば認証が可能です。
- 鍵やカードといった認証媒体を持つ必要がないため紛失の心配がありません。
特徴2 確実な本人認証・不正の抑止効果向上
- 虹彩は生後18カ月までにパターンが固定され、生涯不変と言われています。そのため成長によって変化する顔情報と異なり満2歳からほぼ情報が変わらないため、ほぼ再登録が不要です。
- 左右の眼を比較しても異なるパターンを持っており、2つの虹彩がぴったり一致する確率は1078分の1とも言われています。
- 複製が限りなく難しいものを認証に利用することによって、不正抑止効果も期待できます。
虹彩認証のさまざまな活用法
虹彩認証による入退室の管理
ICカードやテンキーなどの物理認証での認証方式の場合、「なりすまし」の発生やカード紛失時の再発行などのリスクが伴います。しかし、生体認証であれば上記でも記載があるように複製が難しいため「なりすまし」を防止します。
また、虹彩認証は目が露出していれば認証可能なため、食品工場や医療の場など全身が作業着やマスクで隠れている場面でも活用されており、認証媒体をもたないため清潔で安全な入退室の管理が可能です。
本人認証管理
虹彩認証は確実な本人認証と認証スピードが速いという利点があります。なりすましも徹底的に防止でき、タッチレスで眼鏡やマスク、防護服の着用などの服装の影響を受けないため、利便性とセキュリティを両立した実用性の高いシステムです。特定者のみ入室可能な場所などでの本人確認に活用できます。
勤怠管理
虹彩認証を行った時刻を勤怠管理システムと連携することで、勤怠打刻情報として活用することが可能です。カードなどの認証方式と違い、本人の目のみで打刻が可能なため、カード紛失の心配がありません。また、冬場の認証率の低下や気温変動の影響を受けないだけではなく、虹彩の形はほぼ一生変わらないため再登録がほぼ不要です。非接触で衛生的なため、ニューノーマル時代にぴったりな勤怠管理方法です。
オフィスや公共施設、学校、工場、ホテルなど様々な場所、様々な環境に適用できるのが虹彩認証です。
虹彩認証システムのデモ動画
虹彩認証システムについて機器と人物の距離感、認証速度や利用シーンなどが分かるデモ動画です。
虹彩認証システムの導入事例
当社の虹彩認証システムの事例です。導入前の課題と導入後の効果などを紹介しております。