産業関連施設や製造工場にサーマルカメラを導入するメリット

昨今、非接触の体表温検知として使用されることが増え、実際に体験する機会やその名前を聞くことが多くなったサーマルカメラ。この記事ではサーマルカメラを産業関連施設や製造工場に導入するメリットについてご紹介したいと思います。

 

 

温度を可視化するサーマルカメラとは

サーマルカメラのサーマルは英語で「thermal：熱の」という名前の通り、熱を検知することができるカメラです。サーマルカメラから映し出された映像や画像はサーモグラフィーと呼ばれ、人やものに対して温度が高いところは赤く、低いところは青く表示されます。 サーモカメラ、サーマルカメラ、サーモグラフィーカメラなどと様々な呼び名がありますが基本的には同一のものを指します。

サーマルカメラの特徴

温度を可視化できるサーマルカメラにはどのような特徴があるのでしょうか。

人の目では捉えられない環境下での動体検知

人間や動物、車両、機械設備など、地球上の物質は、すべてそれ自身の温度によって“遠赤外線”という人間の目には見えない電磁波（遠赤外線）を発しています。 サーマルカメラはその遠赤外線を検出するセンサーを搭載しており、物体から放出されている電磁波（遠赤外線）を捉えて映し出すため暗闇や大雨・濃霧などの悪天候下、煙などの視界が悪い状況でも人の目に映らない動きを察知できます。

広範囲の温度変化検知

冒頭でも触れたように、ニューノーマルな生活ではサーマルカメラを体表温度の検知として、お店や施設の出入口付近に設置され、その存在が身近になりました。 ここで指す温度の可視化の対象は、人はもちろんのこと、物体の温度変化も検知することが可能です。お店や施設の出入口に置かれる体表温検知を目的としたサーマルカメラはコンパクトなものが多く、映し出される映像もカメラと一体型のディスプレイに表示されるタイプが一般的です。

しかし、対個人用のディスプレイ一体型の小型サーマルカメラではなく、防犯カメラのような天井設置型のサーマルカメラなどであれば、広範囲の温度変化を捉えることができ、銀行や博物館などの高級品の盗難防止、農家や地方市役所などの鳥獣被害対策などにも用いられています。

産業関連施設や製造工場にサーマルカメラを導入するメリット

前項で述べた通り、サーマルカメラは広範囲の様々な物体の被写体の表面温度を可視化できるカメラです。 それでは、産業関連施設や製造工場などにサーマルカメラを導入することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

メリット１：暗所での温度変化に対応

産業関連施設や製造工場などでは、夜間や工場無人化など暗所での作業や監視が必要なシーンも多くあります。サーマルカメラは光ではなく、遠赤外線を利用して温度を可視化するため、暗所でも温度変化の検知をタイムリーに行うことが可能です。設備の温度上昇を捉え、設備の異常を早期発見したり、火災発生の原因となり得る温度変化を捉え警告アラームを発報することにより、火災予防に寄与します。

メリット２：細かな温度表示と発報設定

サーマルカメラで捉えた物質に温度変化が起こった際の発報条件を細かく設定することが可能です。検知した被写体の表面温度は0.01度刻みで表示することができ、温度変化があった際に発報させるためのトリガーは0.05度刻みで設定することができます。^※1 そのため一見、見た目だけでは問題が把握できないような異常発熱を検知することで機器の故障や火災リスクを低減します。<sup>※2

※1</sup>対象物との距離によって変わることがあります。
^※2 サーマルカメラは消防法に基づく火災検知装置ではありません。温度異常のモニタリングにより、発熱・発火を未然に検知するための補助機能としてご使用ください。

温度可視化を活用した火災予防ソリューション

三和コンピュータはサーマルカメラの技術を活用し、火災への早期発見と予防対策ソリューションをご提供しています。「温度の可視化」により、機械の異常温度上昇をいち早く察知し、発報することで信頼性の高い火災予防対策を実現いたします。これまでに培ってきた実績と経験から、最適なカメラ画角の設置・構築をご提案いたします。

まとめ

サーマルカメラは非接触の体表温検知として、私たちの生活に身近なものとなりましたが、暗所での温度検知や広範囲での温度変化の検知および発報など、感染症対策だけでなく、火災予防や監視ソリューションとしての一面も持っています。 三和コンピュータではサーマルカメラを始め、さまざまなカメラソリューションをご提供しています。 気になることがございましたらぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。