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お役立ち情報

意外と知られていない温度を測るサーマルカメラを活用した火災予防

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私たちの日常生活や企業活動を行うなかで、火災のリスクは常に存在しています。 令和3年(2021年)の総出火件数は35,222件あり、これは1日に約96件、15分ごとに1件の火災が発生していることになります。また、35,222件のうち住宅火災を除くと8613件であり、不特定多数の人が出入りする建物を表す特定複合用途施設での火災が1,784件で21%、次いで工場・作業場での火災が1,622件で19%を占めています。※1

※1総務省消防庁 消防統計(火災統計)  令和3年(1~12月)における火災の状況(確定値)について(https://www.fdma.go.jp/pressrelease/statistics/

倉庫や工場においては、火災発生時の被害を最小限に抑えるため、消防法で消火設備の設置が義務付けられています。 万が一火災が発生すると建物損壊や人的被害といった直接被害だけでなく、操業停止や社会的信頼の失墜といった間接被害も想定されます。行政指導や安全管理項目の追加など復旧に関する業務にも対応しなければいけません。火災による被害が膨大なものになってしまう前に、予め最小限にリスクを抑えられるように対策をしておきましょう。



目次

  1. 工場に潜むリスクと課せられる義務
    1. 消防法と設備管理担当者の義務
    2. 消防設備の設置義務
    3. 定期的な「消防用設備の点検」と「点検結果の報告義務」
  2. 工場を安全に管理するためには
    1. 正しい定期的なメンテナンスを行う
    2. 従業員が作業しやすい環境づくり
    3. 従業員がストレスを溜めない環境づくり
  3. 時代にあった安全管理の方法
  4. まとめ

工場に潜むリスクと課せられる義務

工場における火災発生の主な原因は、熱せられた金属や溶接作業時の火花、配線のショートや電気機器等からの出火があります。火災の3要素は「酸素」「可燃物」「熱」の3つです。物が燃えるにはこれら3つの条件が必要です。それを念頭に置いて、溶接作業時の火花拡散防止などの熱源への対策や、溶接作業エリア周辺の可燃物の除去といった、可燃物と熱源の接触の防止が必要だと言えそうです。こういった工場に潜むリスクとあわせて、消防法で課せられている義務についても改めて確認してみましょう。



消防法と設備管理担当者の義務

倉庫や工場には、消防法により「消防設備の設置義務」および「定期的な消防設備の点検と消防庁または消防署長への点検結果の報告義務」が設けられています。点検結果の報告義務に反した場合30万円以下の罰金または拘留の罰則が課せられます。

消防設備の設置義務

消防法で設置が義務付けられている消防設備は、「警報設備」「消火設備」「避難設備」の大きく3つに分類されます

警報設備→火災の発生を発見し、知らせる設備

設備例:火災報知器、火災通報装置 等

消火設備→炎を消火する設備

設備例:消火器、スプリンクラー設備 等

避難設備→屋内の人が避難できるための設備

設備例:誘導標識、避難ばしご 等



定期的な「消防用設備の点検」と「点検結果の報告義務」

消防用設備点検の対象となるのは、下記の建築物です。

  • 延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物
  • 延べ面積1,000㎡以上の非特定防火対象物で、消防長または消防署長が指定するもの
  • 特定一階段等防火対象物

特定防火対象物とは、不特定多数の人が出入りする施設のことを指します。 これらの建築物のうち、延べ面積(各階の床面積を合計した面積)が1,000㎡以上のものが、消防用設備点検の対象となります。
また、消防用設備点検は次の2種類があり、実施周期が異なります。

機器点検:6ヵ月に1回

消防用設備等の設置状況などを簡易的に点検します。

総合点検:1年に1回

消防用設備等の全部もしくは一部を実際に作動させ、総合的な機能を確認します。



点検の内容は消防用設備等の種類に応じて異なり、総合点検がなく機器点検のみ実施される場合もあります。



工場を安全に管理するためには

ほかにも工場での事故を防ぐための安全対策の基本は、熱源の管理等の火災の直接的な原因の除去だけでなく、従業員が作業しやすくストレスを溜めない環境づくりといった作業者の心理的なケアも必要です。



正しい定期的なメンテナンスを行う

毎日稼働している機械であれば、経年劣化によって使い続けるうちに部品が壊れることもあります。機械の不具合によって起こる事故に巻き込まれる危険もあるので、チェックリストなどを用意し、毎日確認することを義務付けるなどの対策をとると良いでしょう。

従業員が作業しやすい環境づくり

作業エリアの通路になっている場所に機器を設置したり、段差を作ったりしないなどの工夫をすること、あまり使わないような機器や工具は作業場から離れたところに収納することを推奨します。機器の置きかたや収納場所が適切ではないとそれらにつまずいて転倒したり、上から落ちてきて怪我をしたりする等大事故につながるので、些細なことと考えずにしっかりとした管理が必要です。

従業員がストレスを溜めない環境づくり

さまざまな理由で作業者の集中力が低下すると重大な事故が起こる可能性があります。達成できないような目標が掲げられている、長時間労働、日々の上司からの叱責等はもってのほかで、これらは作業者に大きなストレスを与える可能性が高くなります。 小さなストレスやミスであっても後々大きな問題に発展することもあるので、作業者のストレスが少なくなるような職場環境を作りましょう。



時代にあった安全管理の方法

先ほど挙げた通り、消防用設備とは消火器具やスプリンクラーなどの「消火設備」、自動火災報知設備や火災通報装置などの「警報設備」、誘導灯・標識や避難はしごなどの「避難設備」を指します。 消防用設備のほかにも防火扉のように建築基準法に規定された防火設備がありますが、これらは発生した火災を消火するもの、報せるもの、安全を確保するための備え、となっており、火災を未然に検知・予防できるものではありません。
また、従来の火災検知対策として火災感知器があります。 煙式と熱式などがありますが、環境に応じて検知のタイミングが遅れる可能性や、利用に適さない場所が存在してしまいます。特に、大規模な工場であるほど大勢の人々や大量の熱源が飛び交い、常に人力で注意・監視するというのも限界があります。

そこで安全対策のIT化も一つの手ではないでしょうか。具体的に挙げると、全自動消火装置やサーマルカメラによる熱源監視等の機械を使った安全管理です。サーマルカメラは物体から放射されている赤外線を検出することで、対象物の温度を検知することが可能なカメラです。人間、動物、車両、機械設備など、あらゆる物体はそれ自身の温度に応じた遠赤外線を出しているため、サーマルカメラで監視対象物・エリアの映像を捉え温度を計測し、機器から煙が発生する前に温度の異常上昇を知り、火災発生前に対処することが可能になります。ITを活用した安全対策は従業員の肉体的・精神的ストレスも軽減され、作業の効率化を図りながらも災害防止につながるでしょう。しかし、あくまでも機械は補助であり、きちんと人力で監視することも怠ってはいけません。



まとめ

最後におさらいです。火災の発生は「酸素」「可燃物」「熱」の3つの要素が揃った時です。そのため、溶接作業時の火花拡散防止などの熱源への対策や、溶接作業エリア周辺の可燃物の除去といった、可燃物と熱源の接触の防止が必要だと言えそうです。また、消防法には倉庫や工場の消防設備の設置義務と、定期的な消防設備の点検と報告義務があり、違反すると罰則が与えられます。工場や産業施設等で火災が発生した場合、構造によっては焼損床面積が 10,000㎡を超えることがあり、その場合には、直接被害だけでなく間接被害も膨大なものになってしまいます。

近年ではIT技術を活用し火災につながる予兆を検知するソリューションがあり、このようなITを活用した安全対策は従業員の肉体的・精神的ストレスが軽減され、作業の効率化を図りながらも災害防止につながるでしょう。機械やシステム等の導入はその分費用もかかりますが、直接・間接被害の大きさとその発生確率やリスクの視点から、経営者による適切な判断が求められています。しかし、あくまでも機械は補助であり、きちんと人力での監視や注意も怠ってはいけません。

三和コンピュータではフィジカルセキュリティシステムの導入実績が2,000社以上あり、長年培ってきたカメラ設置ノウハウや提案力を強みにしています。メーカーを問わずお客様ごとに適したソリューションをご提案しており、ご提案から設置・保守まで一括でご対応可能です。ぜひ弊社にてご支援させていただきますのでお問い合わせお待ちしております。

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