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自社に合う顔認証システムの選定ポイント

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昨今ではスマートフォンの本人確認やホテル・空港のチェックインにも使用されるなど、身近な存在となった顔認証システム。実はひとくちに顔認証システムといっても様々な種類や運用方法があるのはご存じですか。今回の記事ではたくさんある顔認証システムの中から自社に合うシステムや機器の選び方のポイントについて紹介したいと思います。



目次

  1. 顔認証システムとは
  2. 顔認証システムの歴史
  3. 顔認証システムとその他生体認証の比較
  4. 顔認証システムの企業での活用シーン
    1. PCログオン時の本人認証
    2. ホテルやイベント会場などのチェックイン
    3. VIP顧客の把握や特定人物の検知
    4. 施設、オフィスの出入り口の入退室管理や高セキュリティエリアの入室者制限
    5. 勤怠管理システムとの連携
  5. 顔認証システムのしくみと構成について
    1. 単体構成
    2. サーバ構成
    3. クラウド構成
  6. サーバ構成やクラウド構成の顔認証システムでできること
  7. まとめ

顔認証システムとは

「認証」とはなりすましを防ぐために対象の真正性を確認することを指します。そして本人を認証する方法としては、鍵やカードを使用した所有物認証、ID・パスワードによる知識認証、身体の一部分を利用する生体認証と大きく三種類に分けることができます。

顔認証システムとは、生体認証を使用した認証方法のひとつで、人物の「顔」を鍵とするシステムのことです。スマートフォンのロック解除やホテル・空港などのチェックインに利用されるなど、顔認証システムは身近なものとなっています。



顔認証システムの歴史

機械による顔認証は、1964年の東西冷戦の最中に始まったといわれています。当時は顔の20個の特徴を手動で入力するという方法を採用しており、認証精度にはまだまだ課題がありました。その後2001年に起こった世界同時多発テロをきっかけとして顔認証の需要が高まりました。テロを防ぐことを目的として空港での導入が始まり、その頃から顔写真を入れた電子パスポートが普及し、やがて顔認証の技術が一般に浸透するようになりました。
現在の顔認証システムは、ディープラーニングされた人工知能(AI)が使用されており、カメラで捉えた画像や映像から顔を検出し、目や鼻、口などの特徴的な位置や顔領域の大きさなどをもとに登録された情報と本人の照合を行っています。技術の進化から認証精度も以前と比較すると向上しています。



顔認証システムとその他生体認証の比較

顔認証システムは前章でも触れましたが生体情報を使用して本人を特定する生体認証のうちのひとつです。生体認証としては顔認証のほかにも指紋や虹彩、声紋、静脈などを利用する認証方法があります。各認証方法は何がどのように違うのでしょうか。 次の表は価格や認証精度などを各生体認証で比較した表です。

生体認証の比較

認証方法によってそれぞれ優れている部分、不得手な部分がありますが、顔認証については認証精度、衛生面、柔軟性等において優れており、ほかの項目についても比較的バランスが取れていることがわかります。



顔認証システムの企業での活用シーン

それでは、顔認証システムは企業でどのように活用されているのでしょうか。様々な施設やオフィスで活用されている顔認証システムは、本人の照合自体を目的としたPCのログオンや、VIP顧客把握といったものから、入退室管理システムや勤怠管理システムといった他システムと連携した活用など多岐にわたります。具体的な例をみてみましょう。



PCログオン時の本人認証

ノートパソコンに内蔵されているカメラに顔を映し、事前に登録された顔情報と照合し本人確認を行い、PCのログオンを実施します。万が一PCを紛失した際も、顔という生体を使った認証が必要になるため、不正にログオンされるリスクを低減させることができます。



ホテルやイベント会場などのチェックイン

フロントや受付の端末に顔をかざすことで本人確認を行います。この場合は事前に来場者に顔情報を登録してもらい運用する形が多く、短期間の利用や一定期間に認証対象者が入れ替わるような形態への親和性が高いです。



VIP顧客の把握や特定人物の検知

会員制の顧客を持つ店舗やホテル、ゴルフ場などでは特定人物の来場を検知しスタッフに通知することで、ワンランク上のVIP対応が可能になります。 また福祉施設などでは、入居者の見守りの観点から特定人物の外出や出入りを検知しスタッフに通知するために顔認証システムが活用されています。



施設、オフィスの出入り口の入退室管理や高セキュリティエリアの入室者制限

施設やオフィスの出入り口となる扉に顔認証システムと扉の自動解錠を連携させることで、誰がいつ、どの扉から入室したのかといった入退室管理を行うことができます。また、大きな施設やオフィスでは社員の中でも限られた特定メンバーのみが入室可能なエリアがあるかと思います。そのような高セキュリティが求められるエリアの扉にも顔認証システムが向いています。



勤怠管理システムとの連携

顔認証システムと勤怠管理システムを連携することで厳格な勤怠打刻が行えます。打刻機に社員証をかざしたりする必要がなくなり、なりすましや代理打刻を防ぐことができます。出入り口の入退室管理と組み合わせることでフィジカルセキュリティ向上と客観的なデータに基づく労働時間管理の実現が可能です。



顔認証システムのしくみと構成について

次に顔認証システムのしくみと構成について理解していきましょう。くり返しになりますが顔認証システムはタブレットやカメラに映った顔を検出し、あらかじめデータベースに登録しておいた情報と照合することによって認証を行います。照合を行うのは主に目や鼻、口などの特徴点の位置や顔領域の位置・大きさといった情報です。 2001年以降顔認証技術が進化し認証精度が高くなったこと、そして近年のセキュリティ意識の高まりから本人確認における認証システムの需要が高まり、昨今ではさまざまな価格帯・機器構成の顔認証システムが流通しています。ここでは構成別に特徴やメリット・デメリットについて説明します。

顔認証システムの構成は大きく3つにわけることができます。 端末1台のみで完結する「単体構成」、事務所等に置いたサーバに予め照合する顔データを登録し、別途認証場所に設置した端末で顔認証を行う「サーバ構成」、照合する顔データをクラウド上に保存し手元の顔認証端末でとらえた顔を照合する「クラウド構成」の3種類です。

顔認証構成パターン
それでは各構成についてもう少し詳しくみていきましょう。



単体構成

まずは単体構成についてです。単体という言葉の通り機器を一つ設置するだけで顔認証が可能です。価格は安価なものなら20万円~30万円ほどで購入でき、後述のサーバ構成やクラウド構成と比べると比較的容易に導入することが可能です。また、機器を移動(持ち運び)しやすい点を活かし、イベント会場やホテルの宴会場など一時的な用途に利用されることも多い傾向です。
しかし、機器単体で完結するということは端末自体に顔情報を保存することを意味します。 万が一機器の盗難に遭った際は設備機器としての盗難被害だけではなく、端末に保有している顔情報の盗難にもつながってしまいます。保有している顔情報は個人情報にあたるため、盗難にあった時点で個人情報の漏洩となります。情報漏洩により企業に生じるリスクは社会的信用の失墜や調査・賠償・対策のコスト、刑事上の罰則など計り知れません。
複数拠点で顔情報を一元管理したい場合や、他システムとの連携を行いたい場合などは、単体構成では実現するのが難しいケースが多く、柔軟性には欠ける部分があります。どのようなシーンで何を行いたいのかを踏まえ、セキュリティリスクを十分考慮するようにしましょう。



サーバ構成

次にサーバ構成についてみていきたいと思います。サーバ構成は顔情報を登録するサーバと、認証の際に顔を捉える端末の組み合わせで構成されています。 顔情報は事務所等に設置するサーバに保存されているため、万が一認証用の端末が盗難にあったとしても顔情報の漏洩は防ぐことができ安全性が高まります。認証端末にはカメラやタブレットを利用できます。
顔認証のシステム・エンジンも単体構成と比べると高精度・高品質なものを搭載していたり、他システムとの連携が柔軟にできる場合が多い点が特徴です。しかし、サーバ構成の場合は認証端末、サーバ、顔認証ソフト等が必要になるため単体構成に比べると導入費用が大きくなります。また、認証機器の設置に加え、サーバの構築・導入、他システムとの連携など、導入から運用まである程度時間を要することが想定されます。



クラウド構成

最後はクラウド構成についてです。クラウド構成は顔情報をクラウド上に登録・保管し、認証端末で顔を捉え照合を行う構成です。サーバ構成で説明した顔情報の登録先が、サーバではなくクラウド上になった、というイメージです。クラウドに顔情報を保存するためサーバ機器の保有と管理が不要で、複数拠点の顔情報を一元管理できることが大きな特徴です。また、手元に用意する機器は認証端末のみで済むため一般的にサーバ構成よりもイニシャル費用を抑えることが可能です。
しかし、クラウドと手元の認証端末間でインターネット越しの認証を行うため、ネットワークの確実性が求められます。社内ネットワーク障害だけでなく自社が関与できない回線部分での障害にも運用が左右されてしまう可能性があります。また、クラウド型のため利用料等のランニングコストが発生します。契約するサービスによっては認証人数などで価格が変動する場合があります。


各構成の特徴やメリット、デメリットについてお分かりいただけたでしょうか。
簡単に表にまとめると下記のようになります。

  単体構成 サーバ構成 クラウド構成
価格
認証精度
柔軟性
容易性
設置スペース
安全性
可用性



近年では、スマートフォンでの顔認証ロック解除や、ニューノーマルでの施設入場時や利用時の体表温度確認などでカメラに顔をかざすということがとても身近になりました。そのため、顔認証システムはある程度安価で導入できるという印象を持たれる方も増えたのではないでしょうか。しかしながら確実な本人確認によるなりすましの防止や、出入り口や高セキュリティエリアへの入退室を顔認証で行う場合などは、高品質な顔認証システムや他システムと連携が可能なシステム・構成を選ぶ必要があります。自社で実現したいことは何かを明確にし、求める顔認証システムのレベルを事前に把握したうえで機器やシステムを選定するのが良いでしょう。



サーバ構成やクラウド構成の顔認証システムでできること

前項で述べた通り、本人確認を厳格に行うことを目的として顔認証システムを利用するにはサーバ構成やクラウド構成が適していることをお分かりいただけたかと思います。 それでは、サーバ構成やクラウド構成の顔認証システムではどのようなことが実現できるのでしょうか。

  • 従業員、利用者、関係者などの本人確認
  • 特定人物を検知した際のアラート通知
  • PCのログイン
  • 勤怠管理連携
  • 入室管理、電気錠の解錠連携など

サーバ構成やクラウド構成の顔認証システムでは顔情報をサーバやクラウドに保存します。使用されるサーバやクラウドは基幹システムなどでも利用される長時間の連続稼働を前提とした可用性の高いものを使用することが多いため、セキュリティ面やBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策の面でも高品質を実現できます。また他システムとの連携の幅も広がるため、さまざまな分野での活用が可能です。





まとめ

顔認証システムは誕生してから半世紀以上が経ち、技術の発展と社会情勢の変化による需要の拡大で私たちの日常でも触れる機会が増えました。顔認証の活用の幅が広がったことで、顔認証システムは安価で簡易的なものから、費用は高くなるがより高精度・高品質なものなどさまざまな種類があります。企業で顔認証システムの活用を検討する際は自社で実現したいことは何かを明確にし、求める顔認証システムのレベルを事前に把握したうえで選定する必要があります。

三和コンピュータはカメラや生体認証等を活用したフィジカルセキュリティシステムの導入実績が2000社以上あります。その実績をもとにお客様が実現したい内容に寄り添った提案が可能です。顔認証システムにおいて重要となるカメラの選定や最適な画角調整・取り付けや電気錠連携、ネットワークの構築などトータルでご提供いたします。 ぜひお気軽にお問い合わせください。

\自社にとって最適な顔認証の選び方を知ろう!/ お役立ち資料
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