第三者保守のセンドバック保守とは?オンサイト保守との違いやポイントについて解説
IT機器のトラブルはビジネスに大きな影響を与えます。業務停止や重要データの消失といった事態を最小限に抑えるためにも、適切な保守サービスを選択することが重要です。
第三者保守機関が提供するセンドバック保守とオンサイト保守はIT機器の故障対応における2つの主要なサービス形態です。センドバック保守は、故障した機器を修理のために第三者保守機関へ送り、修理後に返送される方式です。一方、オンサイト保守はエンジニアが直接顧客の元へ出向いて現地で機器の修理やメンテナンスを行います。
この記事では、これらのサービスの基本的な違いと、ビジネスのニーズに適した保守サービスを選択するための重要なポイントを詳しく解説します。
目次
第三者保守におけるセンドバック保守とは
第三者保守におけるセンドバック保守とは、故障したIT機器を第三者保守機関に送って修理してもらい、修理後に返却されるサービスです。
第三者保守機関に到着した機器は、専門技術を有する技術者によって障害の原因が特定され、必要な修理が施されます。修理が完了すると、IT機器はユーザーの元へと返送され、再び使用できる状態に戻ります。
このサービスは、業務に欠かせない機器や重要なデータを扱うIT機器が故障してしまった際に非常に有効な選択肢となります。
センドバック保守のメリット
第三者保守機関が提供するセンドバック保守は、メーカーでは修理できない機器でも、さまざまなメーカーのIT機器に通じた経験豊かな技術者による、きめ細やかな診断と高品質な修理を受けることができるというメリットがあります。
エンジニアが現地に訪問して出張修理を行うオンサイト保守では、予期できなかった交換部品の不足や検証不足などによってその場で修理できない機器でも、センドバック保守なら検証や修理に最適な環境と設備を用いて、専門技術者が機器の診断から修理までを行います。じっくり故障原因を調査できるためオンサイト保守ではすぐに直せない機器がセンドバック保守では修理可能になる場合もあります。
また、修理対象機器の設置場所と第三者保守機関の拠点が遠方だった際、オンサイト保守では必要となる保守員の出張費がセンドバック保守では不要なため、保守コストを低く抑えることが可能になります。
センドバック保守の流れ
センドバック保守は、故障したIT機器を第三者保守機関に送り、修理後に再び手元に戻すサービスです。第三者保守のセンドバック保守のプロセスにはいくつかのステップがありますので流れをみていきましょう。
IT機器の障害発生と状況把握
IT機器に障害が発生すると、業務に直接影響を及ぼし、業務の停滞やデータ損失のリスクが高まります。そのため、IT機器に障害が発生したら迅速に修理対応が可能な第三者保守機関を検討し、故障した旨を連絡します。
その後、第三者保守機関から故障状態の確認のためヒアリングを実施します。事前にシリアル番号や機器構成、障害内容を整理しておくことで、修理の手続きをスムーズに進めることができます。
障害が発生したIT機器の発送
障害が発生したIT機器を、第三者保守機関へ送付します。PCや小型の機器などの場合は送付する際に専用の梱包材を用いて発送する必要があります。サーバやストレージなどの場合は梱包にも専門知識が必要なため、第三者保守機関に相談してみるのが良いでしょう。
障害状況の確認と切り分け
第三者保守機関は送付されたIT機器に対し、障害の原因を特定するために障害状況の確認と切り分けを行います。これによって、障害の根本原因を正確に把握し、効果的かつ効率的に修理または対応策を立案することが可能になります。
例えば、IT機器が起動しない場合に、それがハードウェアのどこの部品による故障なのかを判断し、それに適した修理を進めることができます。適切な障害対応のためには、この障害状況の確認と切り分けが非常に重要です。
修理の実施
第三者保守機関は原因を特定次第、修理の可否や修理方法の提案と、修理に必要な部品を選定し入手可能かを確認します。入手可能であれば、見積書を作成します。
修理を正式に依頼した後、専門の技術者が最適な環境と設備を用いてIT機器の修理を行います。例として電解コンデンサーやファンが壊れた場合には、専用の工具と正規または代用可能な部品を使用して、正確かつ迅速に交換・修理を行います。
修理が完了したIT機器の返却
修理が完了した後は、修理済み機器が修理報告書と共に速やかに返却されます。
第三者保守のセンドバック保守の注意点
第三者保守機関のセンドバック保守を利用する際には、注意が必要な点がいくつかあります。まず、修理を依頼する機器が戻ってくるまでの期間、その機器を使用できないことを理解しておくことが大切です。そのため、修理期間中に代替機を用意する必要があります。例えば、センドバック保守を利用してサーバを修理に出す場合、事前に代替のサーバを準備しておかなければなりません。これにより、修理中も業務の停滞を避けることができます。
さらに、修理にかかる時間が予想以上に長くなる可能性があるため、修理期間については事前に見積もりを取得し、備えておくことが重要です。修理依頼をする際、どの程度の時間がかかるのか確認し、その期間を業務計画に適切に組み込むことが求められます。これらの注意点をしっかり把握しておくことで、センドバック保守をより効果的に、そして業務への影響を最小限に抑えて利用することが可能となります。
第三者保守のセンドバック保守とオンサイト保守の違い
企業が保有するIT機器のトラブル対応として、センドバック保守とオンサイト保守は主要なサービス形態です。第三者保守のセンドバック保守はトラブルが発生した際に第三者保守機関に機器を送り、修理または点検を行った後、修理済みの機器を返送するサービスです。一方、オンサイト保守は顧客のもとへ直接訪問し、その場で機器の修理や保守を実施します。
オンサイト保守とは
オンサイト保守とは、IT機器やシステムが故障や障害を起こした際に、技術者が直接現地に出向いて修理やサポートを行うサービスです。
これは、ビジネスをスムーズに運営する上で、非常に有効です。オフィスのサーバやストレージといったハードウエアに問題が発生して業務が停止した場合、オンサイト保守サービスを利用することで技術者が現場に駆け付け直接修理を行い、迅速に業務を再開させることができます。このように、オンサイト保守は、企業のIT環境を24時間365日支えるための不可欠なサービスといえるでしょう。
第三者保守のセンドバック保守とオンサイト保守の選択ポイント
第三者保守のセンドバック保守とオンサイト保守を選択する際のポイントについてです。
センドバック保守は製品を指定の場所に送り、修理を依頼するタイプのサービスで大きく3つの利点があります。
1つ目は、第三者保守機関の拠点が遠方だった際、オンサイト保守の場合に発生するエンジニアの出張費などといったコストを低く抑えられることにあります。
2つ目は、IT機器が複数台故障していて送付しやすいものの場合、まとめて送り修理を依頼することができるため、故障のたびに修理依頼を行う手間を省きます。
3つ目は、検証や修理に最適な環境と設備を用いて、じっくり故障原因を調査できる点です。オンサイト保守ではすぐに直せない機器が、センドバック保守では修理可能になる場合もあります。
一方で、オンサイト保守は、技術者が直接現地に訪れて修理を行うサービスです。これにより、障害発生時のダウンタイムを最小限に抑えることが可能となります。たとえば、24時間体制でサービスを提供しているサーバが不可欠な業務であれば、オンサイト保守の契約が望ましいでしょう。
結局のところ、センドバック保守とオンサイト保守のいずれを選ぶかは、組織の要件と優先事項に依存します。コストや手間の削減、修理の確実性を最優先するのか、それとも業務の継続性と迅速な対応を最優先するのか、この点を考慮することが重要です。
第三者保守のセンドバック保守の委託時のポイント
第三者保守機関にセンドバック保守を委託する際には、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。適切な第三者保守機関の選択には、そのサービスの実績や対応時間、対象となる機器に対する知識やノウハウの有無が重要となります。
これらのポイントを把握し、効率的かつ効果的なIT機器の保守管理を目指しましょう。
夜間や土日でも対応可能
夜間や土日祝日でも保守サービスを提供でき、企業のビジネス稼動時間に影響を与えずに済む第三者保守機関かを確認しましょう。企業の活動は平日の日中だけでなく、夜間や土日にも及ぶことが多いため、障害が発生した際にはすぐに対応できるサポート体制が求められます。夜間や休日でも対応可能なサポート体制を選択することにより、事業運営のリスクを低減し、継続的なサービス提供が可能となります。
IT機器の修理についてノウハウと実績がある
第三者保守機関のIT機器修理に関するノウハウと実績を確認しましょう。これは、障害を迅速かつ正確に診断し、修理する能力がこれらの知識と経験に依存しているためです。ノウハウと修理の実績がある場合、修復作業の精度が高くなり、機器のダウンタイムを最小限に抑えることができます。
三和コンピュータの第三者保守
三和コンピュータの強み
三和コンピュータの第三者保守には3つの大きな強みがあります。保守に関してお悩みをお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。
メーカー保守終了直後からスピーディーな対応が可能
一般的に、第三者保守サービスを提供する業者では、メーカー保守終了製品が市場に流通し始めてから自社で製品ごとのスキルやノウハウを蓄積していくのが通例ですが、三和コンピュータでは保守寿命を迎えた製品だけでなく、メーカー保守期限内の保守サービスも行っています。
現行製品の保守にも対応している三和コンピュータであれば、これから延命保守が必要となる多くの製品のスキルやノウハウをすでに蓄積しているため、保守終了直後からスピーディーに延長保守サービスの提供が可能です。
メーカーで教育を受けたエンジニアが多数在籍
延長保守に携わるスタッフは、保守に関する教育をメーカーから直接受けた者が対応しています。たとえば、某メーカー系列の保守会社にはこれまで100名以上のエンジニアが当社から派遣されており、各製品保守に必要な知識やスキルを現場で学んでいます。
その他のメーカーに関しても、現行保守メーカーと一緒に現場でスキルを蓄積し、高品質な保守サービスの提供を実現しています。
24時間365日対応のサポート体制
三和コンピュータでは、24時間365日対応のヘルプデスクを社内に設けており、修理が必要な場合には迅速にエンジニアが駆けつける体制を整えています。東京・大阪の近郊であれば、ご連絡をいただいてから4時間以内を目標に駆けつけるよう尽力します。
三和コンピュータのセンドバック保守
三和コンピュータではオンサイト保守はもちろん、センドバック保守もご提供可能です。また、年間契約、スポット修理の契約形態をご用意しています。ご要望に合わせたサービスプランをご提案させていただきます。
当社だけでなく第三者保守に特化した関連会社と連携して修理対応を行うため、他社では修理不可能なIT機器の修理や入手困難な部品の提供を可能にしています。
まとめ
第三者保守のセンドバック保守は、障害が発生したIT機器を第三者保守機関へ送り、修理を受けるサービスであり、オンサイト保守と比較してコストを削減できる可能性があります。ただし、センドバック中の機器の不在が業務に影響を及ぼすリスクもあるため、この点を考慮することが重要です。IT機器の保守方法を選ぶ際は、センドバック保守の特性を理解し、自社のビジネスにとって最適な選定をすることが求められます。
技術の進化や第三者保守機関のサービス拡充により、センドバック保守は今後も進化し続けるでしょう。そのため、最新の情報に常に注意を払い、最適なIT機器管理方法を継続的に探求することが重要です。
お役立ち資料
保守なしでIT機器を使い続けるのはちょっと待って!
保守サービスを契約すべき4つのリスク
【自社のIT機器はそのまま使い続けて大丈夫ですか?】
IT機器のメーカー保守は一般的には5~7年と言われていますが、そのまま保守なしで使い続けていませんか?
保守しないまま使い続けると重要なデータの消失など様々な問題が発生するかもしれません。
メーカー保守終了後に慌てないよう保守切れによるリスク対策を事前に行いましょう!