冬の電力不足について

2021年5月14日、経済産業省は2021年7~8月と2022年1~2月は電力需給が逼迫するとの見通しを明らかにしました。特に東京電力管内でこの冬の電力不足が心配されており、供給の余力を示す予備率が来年1月にマイナス0.2%、同2月にマイナス0.3%になる見通しです。
この記事では実際にどのような原因で電力が不足し、どのような対応が必要なのかを ご紹介したいと思います。

なぜ今年の冬、電力が不足しそうなのか
冒頭でも述べた通り、今年の冬は特に電力需給が逼迫するとの見通しです。
理由として、大手電力会社は火力発電を収益悪化と脱炭素の両面から、休廃止を進めていることが挙げられます。2020年度夏に稼働していた設備のうち、2021年度に供給を見込めない火力発電所は、大手電力会社分だけでも約830万kWにのぼります。
原子力発電所の再稼働は進んでおらず、太陽光など再生可能エネルギーは増えてはいますが、天候次第で発電量が下がるため、安定した電力供給にならないことも原因となっています。
急な停電で起こりうるリスク
データの破損
急に電力が供給できなくなった場合、パソコンやサーバなどの電子機器ではディスク故障を引き起こす可能性があります。ディスク故障が発生すると重要データの損失のきっかけになります。
ネットワーク機器の動作不安定
ネットワーク機器の故障や、設定ファイルの初期化により、ネットワーク接続が正常に行えない状況に陥る可能性があります。 インターネットにアクセスできないだけではなく、社内ネットワークにおいても支障がでます。
ブラックアウトの発生による安否確認
場合によっては大規模停電が発生します。 連絡の取れない社員や派遣社員の安否確認を行うのが困難になります。
いまできるリスク回避
UPS(無停電電源装置)の定期確認
UPSとはUninterruptible Power Supplyの略です。予期せぬ停電や急な電圧低下などで電力が経たれた際に、蓄電しておいたエネルギーを使って安全にシャットダウンを実施する役割を担う電源装置です。しかし、UPS前面のパネルに「バッテリ コウカン」の、メッセージが表示されていると、停電時に電気を供給することが出来ない可能性があります。 定期点検を行い、バッテリが少なくなってきた際は交換することによって、サーバや重要なパソコンを、急な停電から守ることができます。安全なシャットダウンでデータ損失のリスクを回避します。
クラウドストレージにデータ保管
バックアップ先を同じ敷地内のサーバやパソコン、LANディスクとしている場合、同時にデータが破損する可能性があるので、バックアップ対策が万全だとは言い切れません。 クラウドストレージを活用することで、より確実なバックアップを行うことが出来ます。
機器の見える化
クラウド型のICTインフラ運用サービスなどを導入することで、機器の稼働状態を「見える化」します。「見える化」を行うことで停電が発生し復旧した際に、動作不具合などの原因となりうる稼働不良などを未然に発見することができます。障害の復旧を、スムーズに行うことで業務の正常化を迅速に行うことができます。
社員の安否確認手段の確立
大規模停電によるブラックアウトが発生してしまった場合、業務体制を正常に戻すためには、迅速な社員の安否確認が必要です。職員、従業員の安否情報を、Eメール、スマートフォンアプリ等の回答手段でいち早く収集することは、事業継続のための初動として重要となります。
まとめ
計画された停電の際は、前もって準備をすることができます。 しかし、大規模な災害などは事前準備をする間もなく、突然起きるものです。 今冬の電力不足だけでなく、包括的に「事業を継続するには何をするべきなのか」をあらかじめ考えておくことで、いざという時に事業の復旧を早めることができます。 三和コンピュータは 、BCP対策に関わる様々なご提案が可能です。
ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。