リチウムイオン電池はモバイル機器や小型家電などに使用され便利な一方、使用・保管・廃棄において火災リスクを抱えています。
こうした火災を未然に防ぐには、異常発熱の初期段階で察知し、迅速な対策を打つことが不可欠です。近年、このリスクを低減するための手段としてサーマルカメラの活用が注目されています。
本記事ではリチウムイオン電池による火災の現状やサーマルカメラがどのように火災予防に貢献するのかなど、具体的なポイントをわかりやすく解説していきます。
目次
リチウムイオン電池はあらゆる分野で活用されていますが、その高エネルギー密度ゆえに取り扱いを誤れば発火リスクが高まり、火災予防の重要性が強く叫ばれています。特に保管時や廃棄時には、外部衝撃や内部劣化が原因で思わぬ事故につながるケースが多く報告されています。
ここ数年で報告されたリチウムイオン電池に関連する火災は、主にモバイル機器や小型家電を廃棄する際の不備が発端です。特にリサイクル施設やごみ処理施設においては、分別されずに混入した電池が衝撃を受け、発火につながる事例が多く見られます。
また大量の電池を一度に扱う施設では、一つのトラブルが連鎖して大規模な火災に発展する可能性があり、早期検知と対処は喫緊の課題です。
サーマルカメラを活用した温度監視システムでは “初期の高温箇所”を早期に発見することで、火災を未然に防ぐ対処が行いやすくなります。
日本国内における火災の現状と三和コンピュータの火災予防ソリューションがわかる冊子です。
・日本国内における火災の現状
・一般的な火災対策とサーマルカメラ
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これ1冊で潜在的な火災リスクを排除できるサーマルカメラについてわかります!
サーマルカメラを活用することで、リチウムイオン電池周辺の温度異常を早期に検知できます。
サーマルカメラとはサーマル(thermal:熱の)という名前の通り、熱を検知することができるカメラです。 人の目ではとらえられない遠赤外線を検出し、光源がない場所でも目標の視認・体表温度の測定・温度監視ができます。
その特徴によって、火災につながりかねない温度の異常上昇を、物体に直接触れることなく計測・検知できるため、危険なエリアや非常に高温な対象物でも安全かつ継続的な監視が可能です。
従来の火災報知器などは煙や炎を主に対象としていますが、サーマルカメラは火災の前兆となる小さな温度変化を見逃さず、煙や明確な炎が立ち上がる前の段階で異常を察知します。発火に至る前の温度変化を検知できるため、初動対応の迅速化につながります。
サーマルカメラで早い段階から温度異常をチェックすることで、全体的な安全レベルを向上させることができます。
一般的なセンサーでの温度監視は点検知が主流で、監視範囲をカバーするためには複数台のセンサーが必要になる場合があります。サーマルカメラの場合は一台で広い面積を連続的に監視できるのが利点です。
面監視によって、リチウムイオン電池の保管エリア全体を把握することが可能となり、小さな熱源も見逃しにくくなります。場所ごとの熱分布をリアルタイムに観測できるため、火災リスクの軽減に役立ちます。
実際にサーマルカメラを導入する際、どのような点に注意すれば効果的に火災を防止できるのでしょうか。
サーマルカメラを効果的に活用するには、監視の対象となるエリア全体を一望できるようにカメラを配置する必要があります。特にラックや棚が多数並ぶ環境では、監視対象の間にできるだけ遮蔽物が入らないようにカメラの位置を検討する必要があります。
監視範囲を過不足なくカバーするために、レンズの画角や解像度を考慮しながら複数のカメラを組み合わせるケースもあります。重要なのは、高温の異常箇所を見逃さずに捉えることです。
また、作業動線と重ならない位置を選ぶことで、誤検知のリスクを下げることができます。屋内外問わず、安定した映像が撮影できる設置場所を検討し、日常の点検も容易に行える場所を選ぶことが理想です。
サーマルカメラからの情報が異常を示した場合、迅速にアラートを発信する仕組みづくりが重要です。多くのシステムでは、設定した温度閾値を超えたタイミングでメールやアプリ通知などの警告を出せます。
このアラートは現場担当者だけでなく、セキュリティ担当や管理職など、関連する複数の部署にも一斉に送信されるようにしておくと対応がスムーズです。加えて、通知を受け取った担当者が簡単に映像や温度履歴を確認できる環境を整備すると、二次的な被害も防ぎやすくなります。
リチウムイオン電池の火災リスクは、エネルギー密度の高さゆえに一度発生すると被害が大きくなりやすいため、未然に防ぐための取り組みが不可欠です。サーマルカメラを導入すれば、初期の異常熱を捉えて火災予防に寄与することが可能になります。
導入コストは一定の投資となりますが、事故を防ぎ企業の信頼性や操業停止を避けるには十分に価値があり、今後もサーマルカメラはリチウムイオン電池の火災予防における重要なソリューションとして注目されるでしょう。
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