
溶接作業の火花による引火対策|サーマルカメラを活用した最新安全管理
溶接は製造・建設・メンテナンスの現場に不可欠な工程ですが、火花・スパッタ・高温部材が原因となる引火リスクは常に隣り合わせです。近年は従来の防火設備に加え、サーマルカメラによる温度監視を組み合わせることで、火災の芽を「見える化」し、早期に対処する取り組みが広がっています。この記事では、引火対策の基本と最新動向、サーマルカメラ活用の具体手法などを専門的に解説します。
溶接作業に潜む引火リスクと主因
引火は「可燃物・酸素・着火源」の三要素が揃うと発生します。溶接現場では以下が典型です。
- 火花・スパッタの飛散:1,000℃超の粒子が周辺の紙・木材・油分・粉塵へ到達。
- 高温部材の遅延発火:仕上げ後も母材・近接物が高温のまま残留し、数十分後に発火。
- 可燃性ガス・蒸気:換気不良で滞留し、点火源により爆発/発火。
- 導線・配電盤の過熱:負荷過大や接触不良が熱源化。
対策の第一歩は、作業前の危険源特定(HAZID)と可燃物除去、換気・隔離・区画管理の徹底です。
従来の防火対策(基礎)とその限界
溶接作業では、基本的な防火装置や設備を利用することが求められています。基礎対策としては以下が必須です。
- 防火カーテン/火花シートで飛散遮断
- 消火器・防火砂の常備と初期消火訓練
- 火気作業許可制度による承認・監督者配置
- 後監視(火気作業後の見回り)で遅延発火を確認
- 定期点検・清掃で可燃物・油分・粉塵を削減
火花が周囲に飛散しないようにすることで、被害を最小限に抑えることができます。また、定期的な設備の点検を行い、確実に作動する状態を維持することも重要です。これらの対策を徹底することで、万が一の際にも迅速に対応できる体制を整えましょう。
ただし、目視監視には死角があり、温度異常の兆候は見逃しやすいという限界があります。ここを補完するのがサーマル監視です。

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最新動向:サーマルカメラで引火の芽を見える化
近年、サーマルカメラの技術が進歩し、火災予防対策として注目されています。サーマルカメラ(赤外線サーモグラフィ)は表面温度をリアルタイムで計測・可視化し、しきい値超過時にアラートを発報できる監視技術です。溶接作業中にサーマルカメラを使用すると、通常の目視では確認できない潜在的な火災の兆候をタイムリーに察知できます。
- 主なメリット
- 異常発熱の早期検知:火災前の温度上昇段階で対応可能。
- 広範囲・連続監視:作業区画・資材置場・配電盤など複数点を同時監視。
- 映像データの蓄積:映像データから異常熱発生の状況を把握。周辺環境のレイアウト変更や改善策に活用。
- 自動化との親和性:アラーム連携で警報・記録・通知を標準化。
- 推奨設定の考え方
- アラームしきい値:材質・環境・許容温度に応じてしきい値を設定。
- 監視ポイント:火花到達面、可燃物近接、ケーブル結線部、集塵機・フィルタ周辺。
- 運用ルール:アラーム→現場確認→一次消火/退避→原因除去→再発防止の社内ルールや体制の整備。
この技術を導入することで、安全性の向上とともに、安心して作業を行う環境を構築できます。
溶接現場での具体ユースケース
溶接作業には、火花の飛散や設備の過熱など、目視では気づきにくい火災リスクが潜んでいますが、サーマルカメラなら、こうした“見えない熱の異常”を確実に捉えられます。
代表的なユースケースを以下にまとめました。
- 火花飛散面の連続監視
火花シート裏の温度上昇を検知し、可燃物の移動や遮蔽を即時指示。
- 後監視の効率化
作業後30〜60分の温度変化を録画映像から追跡。遅延発火リスクを可視化。
- 配電盤・延長コードの過熱検知
高負荷時のホットスポットを事前に把握し、容量見直しを実施。
- 粉塵・フィルタ部の異常熱
清掃不足や堆積による発熱を検出し、メンテナンス周期を最適化。
- 火花が機械や設備の隙間に入り込み蓄熱
機械内部や設備の隙間に火花が入り込み、断熱材や油分に蓄熱して発生する遅延発火を監視。
- 火花が可燃物に直接付着
ウエス、紙、木材などに火花が付着し、作業中または終了後に発火するリスクを検知。
よくある質問(FAQ)
当社が取り扱うサーマルカメラについて、よくいただく質問をまとめました。
Q.粉塵などが舞う環境でも利用できますか?
A.防塵防水規格のIP66のため利用可能です。モーターなどの駆動部を排した設計で、ローメンテナンスで長時間過酷な環境で利用できます。
Q.どれくらいの温度変化を捉えられますか?
A.0.05℃刻みで温度変化を捉えられます。サーマルセンサーの温度測定範囲は-40℃~+550℃です。
Q.温度の異常はどのように知ることができますか?
A.異常熱を検知するサーマルカメラからスピーカー、PCアプリ、スマホアプリ、回転灯、IP電話、メールなど多彩な方法で通知が可能です。
まとめ
この記事では、溶接作業における火花からの引火を防ぐための安全管理対策について詳しく解説しました。防火装置の適切な使用からサーマルカメラを活用した火災予防策を取り入れることで、作業の安全性をさらに向上させることができます。ぜひ現場の安全管理を見直してみてください。

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