
Wi-FiでもLANケーブルが重要な理由|知らないと損する規格と速度の話
Wi-Fiの速度が思ったほど出ない、最新のアクセスポイントに変えたのに業務が快適にならない――そんなとき、原因は無線のWi-Fi電波やアクセスポイント自体ではなくLANケーブルにあるかもしれません。Wi-Fiの電波を飛ばす基地局となるアクセスポイントは有線でネットワークに接続されており、そのケーブルの性能が低ければ、どんなに高性能なWi-Fi機器を導入していても本来の力を発揮できません。
本記事では、LANケーブルのカテゴリ規格と速度の関係をわかりやすく解説し、企業ネットワークで失敗しないための選び方とチェックポイントをご紹介します。
なぜLANケーブルがWi-Fiに影響するのか
Wi-Fi自体は無線通信ですが、アクセスポイントは必ず有線でスイッチやルーターに接続されています。そのため有線側の性能が低ければ、Wi-Fi側の速度も頭打ちになります。最新のWi-Fi 6EやWi-Fi 7対応のアクセスポイントは理論値で数Gbps以上の通信が可能ですが、アップリンクが1GbpsのLANケーブルなら、どんなに無線が速くても実効速度は1Gbpsを超えません。さらに、古いケーブルはノイズ耐性や伝送性能が低く、エラーや再送が増えて体感速度が落ちることもあります。
こうした理由から、Wi-Fiの快適さを確保するためにはLANケーブルの規格を正しく理解し、適切な選定を行うことが不可欠です。
LANケーブルのカテゴリ規格と速度の関係
LANケーブルは「カテゴリ(Cat)」という規格で性能が決まります。カテゴリが上がるほど対応する周波数帯域が広くなり、より高速な通信が可能になります。代表的な規格は次の通りです。
■カテゴリ比較表
規格(カテゴリ) | 伝送周波数 | 最大速度(Base-T) | 標準距離 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
Cat5e | ~100MHz | 1Gbps(条件次第で2.5Gbps) | ~100m | 既設で多いが、今後は非推奨 |
Cat6 | ~250MHz | 1Gbps/2.5Gbps/5Gbps(短距離) | 10Gbpsは~55m | 中間世代。10Gbpsは距離制約あり |
Cat6A | ~500MHz | 10Gbps(安定運用) | ~100m | 現行の企業標準。マルチギガ時代に最適 |
Cat7 | ~600MHz | 10Gbps(特殊コネクタ) | ~100m | RJ45以外の端子が多く、国内では普及度低 |
Cat8 | ~2000MHz | 25Gbps/40Gbps(短距離) | ~30m | データセンター向け。オフィスでは過剰性能 |
企業ネットワークにおすすめなのはCat6Aです。10Gbps対応で、マルチギガ(2.5Gbps/5Gbps)にも余裕があります。Cat5eやCat6は「まだ使える」場面もありますが、安定性や将来性、施工品質を考えると、更新時はCat6Aを選ぶのが安全策となります。
なぜCat6Aが企業ネットワークの標準なのか
Wi-Fi 6EやWi-Fi 7対応アクセスポイントは、2.5Gbps以上のアップリンクが必須となるケースが増えています。Cat6Aなら10Gbpsまで対応可能で、将来の拡張にも余裕があります。また、Cat6Aは導体が太く、ノイズ耐性や施工品質の再現性が高いため、企業ネットワークでの安定運用に適しています。さらに、PoE給電や長距離配線でも安定して動作するため、アクセスポイントや監視カメラなど電力供給を伴う機器にも安心です。
よくある失敗事例
ネットワークやWi-Fiにまつわる「よくある失敗例」をご紹介いたします。
①最新APに変えたのに速度が出ない
背景:
Wi-Fi 6E対応のアクセスポイントを導入した企業で、オンライン会議やクラウド業務の快適化を期待していたが、実際には速度がほとんど改善されなかった。
原因:
LANケーブルが古い規格のものを使用していた。Cat5eのアップリンクは最大でも1Gbpsが限界。スイッチもマルチギガ非対応だったため、無線側の性能を有線側が制限していた。
対策:
スイッチを2.5Gbps対応に更新し、LANケーブルをCat6Aに統一することで、Wi-Fiの性能を最大限に引き出す。
②会議室だけWi-Fiが不安定
背景:
執務エリアは問題ないのに、会議室では接続が頻繁に切れる。
原因:
天井裏のLANケーブルが古く、施工時に過度に曲げられたり結束バンドで強く締め付けられていたため、信号品質が劣化。さらに、LANケーブルが電源ケーブルと長距離並走しており、ノイズの影響も受けていた。
対策:
LANケーブルをCat6Aで再敷設。電源ケーブルとの距離を確保し、LANケーブルの曲げ半径を守ることで安定性を回復。
③NASを10Gbps化したのにPCが速くならない
背景:
ファイルサーバを10Gbps対応に刷新したが、クライアント側の速度は改善されなかった。
原因:
フロアスイッチ間のバックボーンが1Gbpsのままで、LANケーブルもCat5e。結果としてサーバ側の性能がネットワーク全体に反映されなかった。
対策:
バックボーンを10Gbps対応に刷新し、LANケーブルをCat6Aに統一。パッチパネルやジャックも同一カテゴリに揃えることで、ネットワーク全体の性能を底上げ。
LANケーブル選定のチェックリスト
LANケーブルはネットワークの基盤です。カテゴリ規格や施工品質が不十分だと、Wi-Fiや有線通信の性能を大きく損ないます。以下のチェックリストは、企業ネットワークで「どこを確認すべきか」を整理したものです。更新やトラブル対応の際に活用してください。
- カテゴリはCat6A以上に(Cat5eは更新対象)
- パッチコードも同一カテゴリで統一する
- パッチパネル・ジャックのカテゴリも統一する
- 施工品質:ケーブルの曲げ半径・結束方法・電源ケーブルとの距離を確認
- 将来拡張性:10Gbps対応を前提に設計(Wi-Fi 7やクラウド業務に備える)
まとめ:Wi-Fiの快適さはLANケーブルで決まる
Wi-Fiの性能を最大限に引き出すには、無線だけでなく有線側の設計と整備が欠かせません。カテゴリ規格を理解し、Cat6Aを標準化することで、マルチギガ時代に対応し、将来の拡張にも備えられます。「最新のアクセスポイントにしたのに遅い」という悩みを防ぐために、まずはLANケーブルの棚卸しから始めましょう。
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