メーカー保守切れ機器の延長利用を可能にする延長保守サービスとは

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IT機器にはメーカーが定める“無償保証期間”と“メーカー保守期限(ハードウェアサポート期間)”が設定されています。一般的にメーカー保守期限は5年~7年に設定されていることが多く、故障した場合や修理を依頼したいときはメーカー系の保守会社に連絡をすることとなります。
メーカー保守期限が過ぎてしまった後は、最新のIT機器に更新をするか保守サービスがない状態で使用し続けるしかありません。故障時に修理ができない状態で重要なシステムを運用することには高いリスクが伴います。IT機器のメーカー保守が終了するけれど、その機器で稼働している基幹システムの更新までの間あと1年安心して使用したい。そのようなケースに対応するサービスとして、メーカー以外の第三者が保守を行う延長保守サービスについて簡単にご紹介したいと思います。

目次

  1. 無償保証と有償保守
  2. メーカー有償保守終了後の延長保守とは
  3. 第三者が行う延長保守の特徴
  4. 主な活用シーン
  5. 延長保守の導入事例
  6. 延長保守サービス対応可能な機種について
  7. まとめ

無償保証と有償保守

高額なIT機器を導入したのに、すぐに故障してしまい、さらに修理を依頼したら有料だと言われたらどうでしょうか。消費者保護や民法の瑕疵担保責任の観点から、一定の期間メーカー側に無償修理が義務付けられています。それがいわゆる無償保証期間です。


一方、有償のメーカー保守については加入するかどうかは顧客の自由です 。しかし基幹システムが稼働しているIT機器については万が一障害が発生するとシステムを利用するすべての業務が停止してしまう恐れがあることから、保守に加入されるケースが多いと思います。機器導入と同時に保守パックを購入したり有償の年間保守契約で、5年間契約(その後2年延長で計7年など)を結ぶことが一般的ではないでしょうか。 また、定期点検の有無や、サービス対応時間帯として、平日日中時間帯対応や24時間365日対応 などのオプションが選択可能です。



メーカー有償保守終了後の延長保守とは

前項で説明したようにIT機器のメーカー有償保守には定められたサポート期間があります。メーカーは保守部品を保有し故障修理の保守対応を行っておりますが、製品のモデルチェンジのサイクルが早く、常に多くの保守部品を保管しておかなければなりません。そのため、IT機器メーカーは部品保有期間を製造終了後5年としていることが多く、有償保守期間も5年とされていることが一般的です。


そのような有限のメーカー保守期限後にメーカー以外の第三者機関が保守を行うサービスのことを延長保守と言います。一般的に EOSL(End Of Service Life)保守とも言われています。
延長保守はIT機器の故障の原因部品を特定し、独自の商流などから該当部品を調達し、修理などの対応を行います。ただし機種や型番により部品の調達が困難な場合は延長保守が行えないケースもあるため、第三者機関に延長保守対応の可否を確認する必要があります。



※IT機器のメーカー保守期限切れで起こる4つのリスクについてはこちらのブログで紹介しております。
 合わせてぜひご覧ください。

第三者が行う延長保守の特徴

延長保守には次の特徴があります。


対応内容、保守期間 の柔軟性

IT機器メーカーとは異なり自社製品しか保守を行わないといった制限がないため、様々なメーカーの多数の種類、型番の保守に対応しており、マルチベンダー製品の一括保守が可能です。

また、保守期間においても柔軟に対応でき、次期システムの開発が完了するまでの1年間だけ延長保守を依頼するといったこともできます。サービス対応時間帯として、平日日中時間帯対応や24時間365日対応などのオプションが選択可能です。

※保守エンジニアが現場へ駆け付けるオンサイト応答の駆け付け4時間対応といったメニューはSLA(Service Level Agreement)として品質保証をするのではなく、ベストエフォート(努力目標)となる場合が大半です。


独自ルートでの部品調達

第三者保守で使用する保守部品は、保守期限が経過しメーカーに部品在庫がなくても、各事業者が独自に展開している入手経路や流通経路で、代替部品・リファービッシュ品など高品質な部品を調達しています。そのため独自に延長保守サービスを提供することができるのです。

\当社の延長保守サービスの特徴とは/ 詳細はこちら>



延長保守の主な活用シーン

それでは具体的にどのような場面で延長保守が活用されているのでしょうか。

次期システム更新までのつなぎとして活用

延長保守はIT機器のメーカー保守終了から、次期システム更新までのつなぎとして活用されることが多いです。一般的に推奨されている5年毎でのシステム更新は利用者からするとハードルが高く、更新する際はOSやソフトウェアの新旧バージョンの互換性の課題の検証 や、ハードウェアの購入だけではなく、ソフトウェアの構築・移行費用など高額な設備投資が必要となります。さらに昨今は半導体枯渇の影響でIT機器を入れ替えたくても調達が難しいといったケースも増えています。 そういった事情から新システムの選定、移行、基盤が安定するまでの平行稼働期間に安心して既存システムを稼働させるため延長保守サービスを活用することで、機器の故障などによる機能停止のリスクを低減することが可能です。


技術的に更新が難しいシステムの延命に活用

IT機器が工場の生産ラインなどと連動しており、データベースや言語の新旧バージョンの互換性等で簡単に更新ができない。 あと数年で工場内の機器が一新されるためそれまでの期間だけ現状システムの延命をしたいといったケースにも延長保守サービスが有効です。




延長保守の導入事例

当社の延長保守の事例です。延長保守を行った対象機器、お問い合わせ内容と提供したサービスを紹介しております。




延長保守サービス対応可能な機種について

企業で使用するIT機器には従業員がそれぞれ使用するパソコンから、事務所にいくつか設置してある複合機、プリンター、通信やデータ保存を行うためのルータ、サーバ、ストレージなど様々な機器があります。延長保守サービスでは各機器、メーカーごとに部品在庫を調べ調達し修理や保守を行います。 三和コンピュータの延長保守サービスではNEC、Fujitsu、HPなど様々なメーカーのサーバ、ストレージ、スイッチ等の保守が可能です。




まとめ

IT機器にはメーカーが定めるメーカー保守期限5年~7年程度が設定されています。 メーカー保守が終了し、修理ができない状態で重要なシステムを運用することには、高いリスクが伴い危険です。第三者が行う延長保守サービスを活用することによってそのリスクを低減することが可能です。

三和コンピュータは保守会社として創立して以来50年間にわたり培った、技術とノウハウがあります。さらに2019年7月には第三者保守事業を行っている株式会社シェアード・ソリューション・サービスを子会社化し、保守事業の拡大に努めています 。 もうすぐメーカー保守が終了してしまうが新システムへの移行が間に合わないためあと数年は継続して使用したい、といった機器の保守に関してお悩みをお持ちでしたら、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。



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