
グリーンキーパーの経験は、組織の資産になっていますか?~10年後のコース品質を支えるために~
「うちのコースは、あのグリーンキーパーがいるから大丈夫」
ゴルフ場経営に携わる方であれば、一度はこんな言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
長年コースを見続けてきたベテランのグリーンキーパーは、芝の状態や季節ごとの変化を把握し、最適なコース運営を実現する存在です。その経験や判断力は、ゴルフ場にとって大きな財産といえるでしょう。
しかし、その財産は本当に組織のものになっているでしょうか。
人材不足や技術継承が課題となる今、多くのゴルフ場で問われているのは「優秀な人材がいるか」ではなく、「その人の経験を組織として活用できているか」です。
今回は、コース管理の現場で見落とされがちな"経験の資産化"について考えてみたいと思います。
コース管理は経験の積み重ねで成り立っている
ゴルフ場のコース管理では、長年の経験の中で培われる判断やノウハウが重要な役割を果たしています。
同じ芝種であっても、コースごとに土壌条件や日照条件は異なります。日陰になりやすいエリア、水はけが悪い箇所、夏場にストレスを受けやすいグリーンなど、それぞれの特徴を理解するには長い経験が必要です。
例えば病害が発生した際も、単純に薬剤を散布すればよいわけではありません。
過去に同じ場所で発生したことはないか。 その時の天候はどうだったか。 施肥や散水との関係はなかったか。
こうした情報を総合的に判断することで、適切な対策につながります。
優秀なグリーンキーパーほど、こうした情報を頭の中に蓄積しながら日々の管理を行っています。
だからこそ、コース品質は人によって大きく左右されるのです。
経験が蓄積されない組織に潜むリスク
コース管理に関する課題として、多くのゴルフ場が人材不足を挙げます。確かに、経験豊富なグリーンキーパーを採用したり、未経験者を一から育成したりすることは容易ではありません。
しかし、少し視点を変えると別の課題も見えてきます。
それは、「知識や経験が個人の中に留まっている」という問題です。
もし優秀なグリーンキーパーが在籍していたとしても、その判断基準や管理履歴が共有されていなければ、組織としては経験を蓄積できていません。
担当者が異動したとき。
退職したとき。
病気やケガで長期間不在になったとき。
その瞬間に、多くのノウハウが失われてしまう可能性があります。
これは単なる人材不足の問題ではなく、知識の属人化という組織課題です。
本来、長年の現場経験や判断ノウハウは、個人だけのものではなくゴルフ場全体の資産として蓄積されるべきものです。しかし、それが共有・記録されていなければ、組織の資産として十分に活かされているとはいえません。
問われるのは「10年後も同じ品質を維持できるか」
現在、高品質なコースを維持できているゴルフ場は数多くあります。
しかし経営者や支配人の立場で考えたとき、本当に重要なのは今の状態だけではありません。5年後、10年後も同じ品質を維持できるかどうかです。
全国的に人材確保が難しくなる中で、コース管理の世界も例外ではありません。経験豊富なスタッフが引退を迎え、若手人材の確保や育成が課題になるケースも今後増えていくでしょう。
また、猛暑や豪雨などの気候変動によって、芝生管理の難易度は年々高まっています。従来の経験に加え、過去の対応履歴や管理データを活用した判断が求められる場面も増えていくはずです。
こうした変化の中で、今のコース品質を将来にわたって維持できるかどうか。その視点がこれからのゴルフ場経営ではますます重要になるでしょう。
ベテランの経験を、次の世代へどう引き継ぐか
コース管理の品質を支えているのは、日々の作業だけではありません。長年にわたって蓄積された経験や判断の積み重ねです。
例えば、
「あのグリーンは夏場に乾燥しやすい」
「このエリアは特定の気象条件で病害が発生しやすい」
「過去に同じ症状が出た際にはこの対応が効果的だった」
といった情報は、教科書では得られない現場の知見といえるでしょう。
こうした知見は、経験豊富なグリーンキーパーやスタッフの頭の中に蓄積されていることも少なくありません。
経験そのものに大きな価値がある一方で、その知見が共有されないままでは、異動や退職などをきっかけに組織から失われてしまう可能性もあります。
将来にわたって安定したコース品質を維持していくためには、経験豊富な人材を確保することに加え、その経験や判断を組織として蓄積し、活用できる環境づくりも重要になります。
個人が培ってきた知見を次世代へ受け継ぎ、組織全体の力へと変えていくこと。それが、これからのコース管理に求められる取り組みの一つではないでしょうか。
経験を未来へ残すために必要な「コース管理のDX」
近年、多くの業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を耳にするようになりました。DXというと、効率化や省力化をイメージする方も多いかもしれません。
しかしコース管理におけるDXの役割は、それだけではありません。
本質は、日々のコース管理で蓄積される経験や判断を記録し、組織の知見として未来へつなげることにあります。
例えば、病害が発生した際に過去の対応履歴をすぐに確認できたり、新たに着任したスタッフがこれまでの管理経緯を把握できたりすれば、ベテランの知見を組織全体で活用しやすくなります。
人材確保が難しくなるこれからの時代において、経験や知見を組織に残していくことは、コース品質を維持するための重要な取り組みの一つになっています。
まとめ
「うちには優秀なグリーンキーパーがいるから大丈夫」
そう思えることは非常に心強いことです。
しかし、これからの時代に求められるのは、優秀な人材に頼るだけではなく、その経験を組織の資産として残していくことではないでしょうか。
コース品質を将来にわたって維持するためには、経験やノウハウを個人に留めず、組織の知見として蓄積・継承していくことが重要です。
もし「経験の見える化」や「コース管理情報の共有・活用」について検討されているのであれば、コース管理システムを導入するのも一つの方法です。
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将来にわたって安定したコース品質を維持したいとお考えの方は、ぜひ一度ご覧ください。

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