
Wi-Fiサーベイ結果を活かしきれずモヤモヤしている担当者のための“次にやるべき対策”実践ガイド
Wi-Fiサーベイを実施してヒートマップや干渉レポートを受け取ったものの、「何をどう判断し、どこから改善すればいいのか分からない」と感じていませんか。サーベイ結果には改善につながる材料が多く含まれていますが、それを具体的な改善策に変換するには、いくつかのポイントや知識が必要です。
この記事では、情報システム部門や社内ネットワーク担当者がサーベイ結果を正しく理解し、自社環境に合わせた改善の方向性を描けるようになるための考え方を実践ガイドとして紹介します。
はじめに
社内のWi-Fiが不安定になり、原因の特定が難しいときによく実施されるのがWi-Fiサーベイ(電波調査)です。ヒートマップによる電波状況の見える化や、干渉の有無を把握できるため、調査自体には大きな価値があります。
しかし実際の現場では、調査結果を受け取っても「何をどう判断すれば改善につながるのか」が見えずに迷ってしまう担当者が多くいます。レポートは手元にあるのに次のステップに進めないのは、担当者のスキル不足ではなく、サーベイ結果を改善施策へ結びつけるための解釈や整理のプロセスが分かりづらいためです。
ここでは、サーベイ結果を前にしたときに担当者が感じやすい疑問やつまずきの原因を整理し、改善へとつなげるための考え方を明確にしていきます。
サーベイで分かっていることの整理
Wi-Fiサーベイは、オフィスや施設内の電波状況を正確に把握することが目的です。ヒートマップでは電波の強弱やノイズが色で表現され、干渉レポートでは周囲のアクセスポイントのチャネル状況が確認できます。ただし、レポートの内容をすべて理解する必要はありません。重要なのは、改善判断に必要な部分だけを拾うことです。
- 電波が弱いエリア
- 電波が強すぎて干渉を起こすエリア
- 利用が集中する場所の品質
この3つを押さえるだけで改善の優先度が見えてきます。
なぜサーベイ結果を活かせないのか
Wi-Fiサーベイを行ったにもかかわらず改善に踏み出せない理由には共通点があります。
まず、自社で独自にサーベイを行ったものの、専門家の視点が入っていないため判断に自信が持てないケースです。無料ツールや有料のソフトウェアを使い電波状況は可視化できますが、「この値は良いのか悪いのか」「どんな改善が必要か」の基準が分からず、データを活用できないことがよくあります。
次に、専門業者にサーベイを依頼したものの、提供されたのが調査レポートだけというケースです。ヒートマップや干渉状況の資料はあっても、「だから何をすべきか」「自社環境に最適な改善案は何か」が示されず、担当者が自分で解釈しなければならず負担が大きくなります。
さらに、改善の投資を行う際の社内稟議に必要な説明材料が足りず、費用対効果や改善の妥当性をうまく説明できないという課題もあります。
つまり、サーベイ結果を根拠とした具体的な改善施策を導き出せないことが、多くの情シス担当者が困っている本質です。
ヒートマップと干渉レポートの確認ポイント
それでは、ヒートマップや干渉状況といったレポートのどのような部分を確認すればよいのかポイントを5つ紹介します。
電波強度の弱い場所
Wi-Fiの電波が弱いエリアは、Web会議の音途切れや画面フリーズが起きやすい場所です。端末が接続先を探し続けるため通信が不安定になり、バッテリー消耗も増えます。業務への影響が大きく、改善優先度は高い領域です。
電波が強すぎる場所(過剰カバレッジ)
電波が強すぎるとアクセスポイント間の境界が曖昧になります。端末がどのアクセスポイントに接続すればよいか迷い、切り替え(ローミング)に失敗し、通信が遅くなる原因になります。ユーザーから「なんとなく遅いWi-Fi」と言われる典型的な現象です。
チャネル干渉が発生している場所
同じチャネルのアクセスポイントが密集すると電波が混み合い、速度が低下します。ビル内では近隣企業のアクセスポイントが干渉源となることも少なくありません。チャネル設計や出力調整の重要な判断材料です。
参考に代表的な二つの周波数帯のチャネルを表にまとめました。それぞれの周波数帯の特徴も理解しておきましょう。
項目 | 2.4GHz帯 | 5GHz帯 |
特徴 | 電波が遠くまで届きやすい | 電波が届く距離は短いが高速で安定 |
利用状況 | 他機器でも多用され混雑しやすい | 業務用Wi-Fiとして主流で混雑が少ない |
チャネル例 | 1、6、11 が主に使われる | 36、40、44、48、52〜64、100〜144、149〜165 |
干渉の起きやすさ | 非常に起きやすい (電子レンジ、Bluetoothなど) | 比較的少ない(DFSの影響は受ける場合あり) |
速度 | 遅め | 速い |
安定性 | 干渉に弱く不安定になりやすい | 安定しやすく業務利用向け |
用途 | IoTや簡易機器向け | オフィスのPC、会議、動画通話など |
外部アクセスポイントの影響が強い場所
外部のアクセスポイントやBluetooth機器、電子レンジなどの影響を受ける場合があります。前述の表にも記載した通り2.4GHz帯では影響が出やすく、同じビルの他社や隣接するテナントなど、外部アクセスポイントの影響が強い場所がどこなのかを押さえることは、環境全体を理解するうえで重要です。
利用状況と結果の整合性
利用者からWi-Fi接続不良に関する問い合わせの多い場所と、サーベイで問題と判断された場所が一致しているかの確認は必須です。もしも一致しない場合は無線以外の要因(有線、ファイアウォール、端末設定など)の可能性もあります。
改善施策への落とし込み
改善策は短期的なものと中長期的なものに分けて考えると整理しやすくなります。短期改善策として、チャネル設計の見直し、送信出力の調整、SSIDの整理など、設定変更で改善できる項目があります。これらは費用がかからず効果が出やすい部分です。
中長期改善策では、アクセスポイントの再配置、増設、リプレース、有線ネットワークの見直しなどがあります。近年はWeb会議利用の増加により従来構成では限界を迎えるケースも多く、設計の見直しが必要になります。
三和コンピュータに相談するとできること
Wi-Fiの改善はアクセスポイントの追加だけではなく、業務におけるネットワークの使われ方や、将来の利用状況を踏まえて判断する必要があります。三和コンピュータでは、サーベイサービスの提供はもちろん、その後のレポートの読み解き、課題の整理、最適な改善案の提示、設計・構築まで一貫した対応が可能です。
まとめ
サーベイ結果を正しく読み解けば、改善の方向性は自然と見えてきます。全部の数値を理解する必要はなく、見るべきポイントを絞り、自社の利用状況と照らし合わせ、必要に応じて専門家の力を借りることが重要です。サーベイはゴールではなくスタートです。次の一歩に迷ったときは、三和コンピュータに相談してみてください。

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